重点地域研究開発推進プログラム「地域ニーズ即応型第Ⅱ期」事業成果
「非接触方式によるレンズの厚さ測定器の開発」
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はじめに
株式会社永田製作所(岡谷市)と長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門(岡谷市)は、共同で「非接触方式によるレンズの厚さ測定器」を開発しました。
これは、JSTの提案公募型研究事業である「地域イノベーション創出総合支援事業・重点地域研究開発推進プログラム・地域ニーズ即応型第Ⅱ期」で平成21年1月に採択された「非接触による厚さ測定器の開発」事業による成果です。 この開発成果は、株式会社永田製作所が保有する光学部品・機器製造技術と、工業技術総合センター精密・電子技術部門の精密測定技術、光学特性評価技術を融合したものです。
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測定方法と測定器の特長
レンズ外周部分の両面を、開発した自動調心装置ではさみ、高周波振動を与えてレンズを微小移動させることにより、レンズの光軸(*1)と測定器の中心軸を一致させ、非接触変位センサにより光軸上のレンズの厚さを測定します。
この測定器の主な特徴は、次のとおりです。
・非接触で測定するため、レンズに傷をつけずに測定可能。
(ただし、機能上不要なレンズ外周部分は自動調心装置が接触。)
・レンズの光軸上の厚さが測定可能。
・ 測定精度1μmの高精度な測定が可能。

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開発の背景と期待される応用
近年、カメラ付き携帯電話やDVDなどのAV機器では、製品の小型化による光学機器の集積化が求められています。レンズの厚さが高精度に寸法管理されていない現状では、数枚のレンズの焦点を合わせるため、スペーサなどの部品を用いた調整機構が必要とされています。厚さが高精度に寸法管理されると調整機構の必要がなくなり、省スペースとコストダウンが実現できます。
厚さの測定精度において、最近では1~2μm程度の精度が要求されていますが、現在、現場で行われている測定方法では測定精度は10μm程度と低く、高精度測定が急務の課題となっています。
また、蛍石(*2)等の優れた光学特性を持つ素材も多く使用されるようになっており、それらは一般に非常に軟らかく傷つきやすいため、非接触での測定が必須です。
以上のことから、精度1μmの高精度で、非接触測定が可能な測定器の必要性が高まってきていました。
本測定器の開発により、光学機器の高密度化及びコストダウンが可能となり、新製品の開発が期待できます。
対象製品としては、携帯電話を含むカメラ、AV機器、医療機器、半導体関連機器等々、広範な光学機器が想定されます。
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今後の予定
今後は、改良を加え一層の高精度化を図るとともに、測定器を製品化するためのコストダウンを検討していく予定です。
なお、本研究の開発成果は、10月14日から16日まで諏訪市で開催される“諏訪圏工業メッセ2010”の工業技術総合センターブースにて展示いたします。
用語の補足的説明
| *1 |
レンズの光軸 レンズ両面(球面)の中心同士を結ぶ直線。 |
| *2 |
蛍石(ほたるいし) フッ化カルシウムの単結晶。レンズ用には人工的に作られたものが多い。軽量で優れた光学特性を持つが、高価なため、高級な光学機器や高精度な製造装置等に使用される。 |
※この件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
〒394-0025
長野県岡谷市長地御所2-12-22
株式会社永田製作所 御所工場 設計 小熊
TEL 0266-27-0777 FAX 0266-27-8999
〒394-0084
長野県岡谷市長地片間町1-3-1
長野県工業技術総合センター精密・電子技術部門
測定部長 青木久夫、 主任研究員 田中敏幸
TEL 0266-23-4000(代表) FAX 0266-23-9081
(参考)
「地域イノベーション創出総合支援事業」について
全国に展開している独立行政法人科学技術振興機構(JST)イノベーションプラザやJSTイノベーションサテライトを拠点として、自治体、他府省、JST の基礎研究や技術移転事業等との連携を図りつつ、シーズの発掘から企業化までの研究開発(シーズ発掘試験、育成研究、研究開発資源活用型等)を切れ目なく行うことにより、地域におけるイノベーションの創出を総合的に支援する事業。
「地域ニーズ即応型」の位置づけについて
地域の中堅・中小企業のニーズ(技術的課題)を起点とし、これに公設試験研究機関等の機能により大学等のシーズをマッチングさせ、地域におけるイノベーション創出に向けた研究開発支援を行うもの。なお、本事業は平成21 年度で終了した。